- 「乾燥して皮が剥ける」
- 「赤くなり吹き出物ができる」
- 「皮膚が硬くなる」
お肌のトラブルとして、このような症状で悩まされたことがある人も多いのではないでしょうか。
今回は肌荒れの症状と主な原因、鍼灸での改善法についてお話しします。ぜひご覧ください。
肌荒れの症状と原因
私たちの皮膚は、以下の三層から成り立っています。
- 皮下組織
- 真皮
- 表皮
表層である「表皮」でのカサつきや赤みなどの問題を「肌荒れ」と称します。健康的な肌は均一な肌のキメ、ハリ、そして艶を持つのに対し、肌荒れは広義で肌のトラブルの存在を示します。
症状
- お肌のカサつき
- 吹き出物やニキビ
- 皮がボロボロ剥ける
- 赤みや湿疹
- 痒み
などがあります。
主な原因
肌荒れは多様な原因が絡み合いながら発生することが多いのですが、主要な原因として「肌のバリア機能の低下」が挙げられます。
肌のバリア機能は、体を外部からのダメージや侵入物質から守る役目を果たします。このバリアは、表皮の一番外側にある「角質層」によって形成され、それにより紫外線や摩擦、さらには微生物などが体内へ侵入するのを防ぎます。バリア機能の低下の大きな要因として「ターンオーバーの乱れ」があります。
ターンオーバーとは
ターンオーバーとは、肌細胞の生まれ変わり、つまり新陳代謝のことを指します。新しい細胞が表皮の深部で生成され、その後徐々に表面に向かって移動し、最終的には古い角質として剥がれ落ちるプロセスです。
このターンオーバーのサイクルが不整になると、未熟な細胞が急ぎ表層に移行し、バリア機能が低下します。その結果、古い角質がうまく剥がれず、肌のカサつきが生じる可能性が高まるのです。
なぜ肌荒れに鍼灸が効果的なのか?
東洋医学の視点から見ると、私たちの体の健康は「肝・心・脾・肺・腎」という5つの内臓バランスにかかっています。特に「肌荒れ」の観点からは、「肺」と「肝」の役割が重要です。
「肺」は、私たちの皮膚の健康と深く関連しています。そのため、「肺」の機能が不調となると、肌のトラブルが現れやすくなります。この「肺」の機能を向上させることで、皮膚の健康を保つ手助けができます。一方、「肝」は血液の循環をサポートし、代謝を活性化させる役割があります。これにより、皮膚の新陳代謝、いわゆるターンオーバーのリズムを整えるサポートとなります。
さらに、お顔に直接鍼を施すことで、細胞の修復が促進され、新陳代謝が高まります。これにより、ターンオーバーのバランスが整います。真皮層、肌の深部には筋肉やエラスチン、コラーゲンが豊富に存在しており、鍼の刺激によってこれらが活性化。その結果、肌の弾力やハリが向上し、シワやたるみの改善にも期待できます。
東洋はり灸院の施術について
東洋はり灸院で施す経絡治療(けいらくちりょう)の場合、全身にあるツボの中から
- 肺兪(はいゆ)
- 孔最(こうさい)
- 太衝(たいしょう)
などのツボを使い、「肺」と「肝」の機能を上げます。
美容鍼(びようしん)
また、美容鍼を使用して直接お顔のツボを刺激することもあります。
使用するツボは
- 睛明(せいめい)
- 迎香(げいこう)
- 地倉(ちそう)
などのツボをはじめとした、頭から顎まで35~40本ほどの鍼を施します。
肌荒れ改善のための3つのポイント
① 夜中の0時前に就寝する
東洋医学の視点から言うと、深夜1時~3時は「肝」が最も活発に動き、体内の解毒作業を行っています。遅くまで起きていると、この解毒作業が十分に行われず、体内の血液が浄化されないことがあります。結果として、体内には不純物が残存し、肌の健康に悪影響を及ぼす可能性が高まります。
② 和食を中心とした食生活を心掛ける
腸内の環境が悪くなると、肌荒れを引き起こす可能性が増します。日本人の体質や腸内細菌に最も適しているのは、伝統的な和食です。玄米、味噌汁、魚など、バランスよく取り入れることで、腸内環境を整える助けとなります。
③ 定期的な軽い有酸素運動をする
体を動かすことで血流が促進され、体の中の余分な水分や老廃物の排出が助けられます。また、新陳代謝も活発になるため、肌のターンオーバーも促進されます。毎日の生活の中で、軽めの運動を取り入れることをおすすめします。
おわりに
今回は肌荒れについてお話しをしました。
「皮膚は内臓の鏡」というように鍼灸と同じくらい、日常の食事や睡眠、運動などの生活習慣が大切です。
東洋はり灸院では痛くない鍼と熱くないお灸を施す「美容鍼灸」も扱っておりますので、お肌の不調でお困りの方はぜひ一度ご相談ください。体の内側と外側の両方からアプローチをして綺麗なお肌を作りましょう。