先天の精・後天の精・天空の気について

東洋医学には、生命の根源である腎臓から出る3つのエネルギーがあります。

1つ目は両親から授かるエネルギーの『先天の精』、2つ目は主に飲食による消化吸収で得るエネルギーの『後天の精』、3つ目は空中から取り入れた清い空気である『天空の気』です。これらの気は腎臓や胃腸、肺と密接な関係があり、しっかり整えることで不調を改善させることができます。

今回は東洋医学の視点から、この3つのエネルギーと各機能の改善方法について詳しく解説していきます。

先天の精を高めるキーポイントは腎臓にあり

五臓

先天の精とは、誕生と同時に両親から授かる『元気』のことをいいます。東洋医学では腎臓と深い関係にあり、腎臓とは生命力を発している臓器です。つまり腎臓が衰えていくのは、年齢を重ねていくことと同じ意味を持ちます。

では腎臓は、加齢のように衰えを止めることができないかというと、そうではありません。腎機能は鍼灸施術や漢方、食事、睡眠、運動によって機能を高めることができます。

鍼灸施術であれば、専門の鍼灸師におまかせしましょう。自分でお灸をしたい場合はやり方をYouTube公式チャンネルに載せていますので、ぜひ探してみてください。

腎機能を向上させるなら、背中にある腰痛に効くツボである『腎ゆ(じんゆ)』や、くるぶしにある婦人科系疾患に効く『照海(しょうかい)』というツボ、手首にあって首の痛みに効くツボ『列欠(れっけつ)』に、くるぶしにある頭痛に効くツボ『崑ろん(こんろん)』を使って当店は施術を行います。漢方を使用したい方は、専門の先生に処方していただいてください。

ほかにも足腰や泌尿器などの弱った機能を補う『八味丸(はちみがん)』や『六味丸(ろくみがん)、足腰などの痛みやしびれに作用する『牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)』、体力が低下したときの冷えに効く『大防風湯(だいぼうふうとう)』などがあります。

また、腎機能を高めるためにふさわしい食材もあります。それは豆類や黒ゴマ、ひまわりの種やかぼちゃの種といった種子類、海藻などです。

腎機能との関わりが非常に深い睡眠も、機能向上のカギとなります。睡眠不足が続くということは、生命力を削りながら活動することと同義です。エネルギーを蓄える大切な時間となるため、睡眠時間はしっかり確保しましょう。

腎機能を強化するうえでは、運動も欠かせません。ウォーキングや階段を上る、スクワットなどの運動が効果を発揮します。腎臓が弱るとだんだん腰が曲がってくるため、それにあらがう運動が最適です。

後天の精は食事で胃腸の機能を高めよう

胃腸

後天の精を高めるには、食べ物で身体を養うことが必要です。

まずは胃腸を丈夫にして、良質なものを食事から摂るようにしましょう。食べ物であれば、かぼちゃやサツマイモ、にんにく、ニラ、もち米などが望ましく、よく噛むことで胃腸を保護することにもつながります。

次に、鍼灸施術で胃腸を調整する際に使用するツボをご紹介します。

当店では、お腹にあって胃腸の働きを整えるツボの『中かん』と、胃腸の不調に効くひざ下にあるツボの『足三里(あしさんり)』、背中にある胃の不調を改善させるツボである『胃ゆ』や『脾ゆ』に施術を行います。自宅でツボを押すならば、足三里が効果的でしょう。

漢方であれば、胃腸全般の調子を良くする『人参湯(にんじんとう)』や胃腸の働きを高めて食欲を出す『補中益気湯(ほちゅうえきとう)』などがオススメです。食事は、鍼灸や漢方を用いて胃腸を丈夫にしてから摂るようにしましょう。

肺機能を高めるならレンコンで決まり

レンコン

空気からエネルギーをもらうのが『天空の気』です。空気いうとピンとこないかもしれませんが、街中の車が多いところを歩くと気分が悪くなり、体調が優れなくなる方がいます。反対に、山などの空気がキレイなところに行くと気持ちがスッキリします。

このように天空の気は、呼吸器を通して元気をもらい、肺の力によって体調が左右されるのです。

肺の機能を高める方法は、鍼灸や漢方、食事などがあります。個人で呼吸器の機能を高めるのは難しいため、専門の鍼灸院での施術がオススメです。肺が弱ってぜん息や風邪を引きやすい方は、漢方の専門医に相談してください。

ご自宅で肺の力を高めることができるのが、食事です。

レンコンは、呼吸器が弱い人にとって重要な食べ物で、肺の力を高めることができます。人は身体に必要なものを美味しく感じるようにできているので、肺が弱い方はレンコン好きな方が多いです。

なかでも『釈迦レンコン』をオススメしています。釈迦レンコンは粉末状になっているもので、自然食品を扱うお店やネットショップで購入することができます。パウダーを湯に溶かすだけで簡単に摂取できるので、ぜひお試しください。

腎臓や胃腸、肺が弱い方は東洋はり灸院へ

ようこそ

東洋医学では、3つの『元気』を高めることで、五臓の機能改善を図ります。

誕生と同時に両親から授かる『先天の精』、誕生後に食事で補う『後天の精』、清浄な空気を呼吸器を通してもらう『天空の気』の3つの元気は、東洋医学の鍼灸や食事法で高めることが可能です。

これらの不調は腎臓や胃腸、肺機能に影響を及ぼすため、気になる症状のある方は東洋医学専門の東洋はり灸院までお気軽にご相談ください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。