梅雨の時期は「脾」を養生しましょう!

梅雨

湿気が多くジメジメと蒸し暑い梅雨や気温、湿度に変化の多い季節の変わり目は体調も崩しがちになりますね。とくに日本は海に囲まれ、湿気が多いため、梅雨時期になると身体の不調を感じる人も多いのではないでしょうか?

脾は湿度に大変弱い性質をもつため、梅雨の時期にもっとも影響を受けやすくなります。今回は「脾が弱ることで出てくる症状」「脾を養生する方法」についてご紹介していきます。

脾が弱ると出る症状

臓器

①口のまわりに不調が表れる

食べ物を取り入れる口は消化吸収を司る脾・胃と密接な関係にあるため、脾・胃が弱っていると口の周りに吹き出物が出たり、口角が割れやすく切れるなどの不調が表れます。

②鼻血や血尿、血便、月経血量が多いなど出血症状が出やすい

脾の作用に「統血作用」という働きがあります。血が外へ漏れるの防ぐ働きです。

脾が弱ると鼻血がよく出たり、血便や血尿といった不正出血が出てくるようになります。また、女性の場合は1週間以上ダラダラと月経血が出続けたり、出血量が異常に多くなってしまうこともあります。

③下痢や軟便、消化不良など消化器系のトラブル

日々、飲食物の消化吸収を繰り返している脾がうまく働かなくなると、当然ながら消化器系に問題が生じます。下痢や軟便など便通がスッキリせず、また腹痛になることもあります。

④やる気・元気が出ない、無気力状態になる

消化吸収を担う脾・胃の働きが鈍くなると、飲食物から栄養やエネルギーを作り出す機能が低下するため、

  • やる気が出ない
  • 元気が出ない
  • 無気力

といった状態になります。

その他にも以下の症状も出やすくなります。

  • 口の中がネバネバする
  • ニキビや吹き出物が出やすくなる
  • 唇の皮がよくむける、唇の色が悪い
  • 身体が重い、関節に痛みが出やすい

脾を養生する方法

養生

冷たいものや油っこいもの、水分を摂りすぎない

脾の働きを弱める1番の悪因は冷たいものの摂りすぎです。冷たいものが欲しくなる夏場でも、できるだけ常温のものを摂りましょう。

また油っこいものや甘いもの、味の濃いもの、水分の摂り過ぎも脾・胃の負担になります。

脾とセットで働いてくれる胃の養生も忘れずに!

梅雨の時期に限らず季節の変わり目に体調を崩す人は、胃の調子が悪い場合がほとんどです。

胃の調子を整えるためには消化に負担がかからず、胃がきちんと吸収できるような食事をすること。1番のオススメはお粥です。

脾を活かす代表的な食材 五選

食材

取り入れてほしいのは脾の機能を促し、消化能力を高めてくれる食材です。

脾をサポートしてくれる味は甘味です。脾とともに働く胃の調子を整えて気や血を補ってくれる作用もあります。

甘味とは砂糖のことではなく食物に含まれる自然な甘味のことを指します。また、湿気に弱い脾のためには、体内に余分な水分を溜め込まないように水分代謝を促す食材を摂ることも大切です。

1.大豆

甘味の食材。脾・胃や腸を丈夫にし、消化不良の改善に有効。

体内の余分な水分を取り除き、むくみの解消にも効果的。

2.かぼちゃ

脾や胃弱を改善する甘味の食材。

血行促進作用をもち、身体を温め、気を補う作用もあり。

3.大根

消化を促進させ、気の巡りをよくします。胃もたれや嘔吐、便秘にも。

生食ではなく加熱して食べることがオススメです。

4.とうもろこし

脾を滋養して、消化を促すだけではなく、水分代謝にも優れています。

5.生姜

胃の中がポチャポチャとするような胃内停水を改善。胃の働きを健康に保つ作用や身体を温め、腰痛や下痢などの症状にも効果があります。

その他にも脾・胃を助けてくれる食材はたくさんありますので、ぜひ調べてみてくださいね。

まとめ

ポイント

東洋医学では五臓(内臓)と季節は繋がっていると考えます。季節に応じて私達の身体も変化していきます。

身体が出しているサインを見逃さず、適切な養生をすれば、季節の変化にも負けず日々を過ごせますので、今回ご紹介したことを意識してみてくださいね。