東洋医学の舌診(ぜっしん)について

舌診

今回は、東洋医学のカウンセリングの一つである舌診(ぜっしん)についてお話させていただきます。

この舌診は、医学的な診断や検査がなかった古代には重要な診断方法とされていました。

舌は身体の内部にありながら、外から簡単に見ることができるので、体内の状態を知るセルフケアとしてオススメです。

舌診とは

カウンセリング

東洋医学では、内臓の状態を舌でカウンセリングする方法があります。

体調によって変化する舌の状態の変化を見るのですが、主に以下の5つの観点から観察をします。

  1. 大きさ
  2. 厚さ
  3. 舌苔(舌の表面に、食べかすや口の中の細菌が堆積してできるもの)

これらの項目を毎朝、歯磨きの前にチェックすると体調の変化に気がつきやすくなります。

舌診のチェックリスト

舌

①色

紫色をしているのは血行が悪い状態です。舌の裏側の血管が黒くふくらみがある人は、さらに要注意です!

東洋医学のカウンセリングでは、瘀血(おけつ:[恐らく一般的ではない用語なので、ルビがあった方が親切かと思います。直後に()があるため、カッコ内に統合しました。]血の汚れや滞りがある状態)とみます。

現れる症状として、以下の症状が多い方が当てはまります。

  • 生理痛
  • 慢性腰痛
  • 肩こり
  • 頭痛
  • 不眠
  • 内出血

オススメのツボは、合谷(ごうこく)大衝(たいしょう)です。

薄いピンク

血が不足している(貧血気味)、もしくは冷えがある状態です。

東洋医学のカウンセリングでは、血虚(血の不足)とみます。

現れる症状としては以下です。

  • 集中力がない
  • 眼精疲労
  • 皮膚の乾燥
  • こむら返り
  • 頭髪が抜けやすい など

オススメのツボは、血海(けっかい)膈兪(かくゆ)です。

黄か黒

熱がある状態です。高熱が出ている時も同様です。

②大きさと形

舌

歯型がついている

疲労、むくみがあると考えます。

東洋医学の診断では、気虚(エネルギーの不足)とみます。

現れる症状として、

  • 疲れやすい
  • 食欲不信
  • 気力がない
  • 下痢しやすい など

オススメのツボは、豊隆(ほうりゅう)公孫(こうそん)です。

小さくて薄い

栄養不足、水分不足と考えます。

オススメのツボは、太白(たいはく)足三里(あしさんり)です。

全体にぼてっとして大きく厚みがある

水毒(すいどく:水が身体の中に停滞して余分に溜まっている状態)と考えます。

現れる症状は、

  • 頭重感
  • 乗り物酔いしやすい
  • むくみ
  • 尿減少・尿過多
  • 水のような鼻水 など

オススメのツボは、水分(すいぶん)陰陵泉(いんりょうせん)です。

③舌苔(ぜったい)

検査

びっしりと白い苔

胃腸が弱っている状態です。

糖質の取りすぎが原因のケースが多いです。

オススメのツボは、大椎(だいつい)命門(めいもん)です。

黄色

熱がこもっている状態です。

食事の取りすぎによる暴飲暴食、胃炎や風邪のときに黄色くなるケースが多いです。

オススメのツボは、内庭(ないてい)曲池(きょくち)支溝(しこう)です。

理想的な舌とは

舌

ピンク〜淡い赤色

大きさと形

薄くも厚くもなく、真ん中がふっくらとして適度な弾力がある状態

舌苔

うっすらと白い苔がある状態

おわりに

不調になる前に、まずは自分の身体の状態を知ることが大切です。

歯磨きの際に、舌を観察する習慣をつけ、状態に応じてオススメのツボを使ってお灸などしてみましょう。

そして食生活に気をつけるだけでも舌の状態は変わりますので、日々の食材などを見直してみてはいかがでしょうか。

中澤先生