気滞(きたい)について

陰陽

こんにちは。国分寺院 院長の中澤浩太朗です。

前回は「気虚」についてお話しさせていただきましたが、今回は同じ気でも「気滞」について解説させていただきます。

特にこの症状は、今の季節である秋に多いと東洋医学では考えますので、ぜひご一読ください。

気滞とは

不調

生命活動の根源的エネルギーである「気」がうまく循環せず、停滞している状態が続いてしまうと「気滞」の状態になってしまいます。

例えると、エントツが詰まっているので煙がうまく外へ出ていかず、体に熱が溜まったり水が溜まってしまうような状態です。

停滞した部位によって症状は変化し、気滞の状態になると以下のような症状が現れます。

  • イライラして怒りやすい
  • 不安感や憂鬱感がある
  • やる気が出ない
  • よくため息をつく
  • のどのつかえ感
  • 胸のつかえ感
  • おならやゲップが出る
  • 頭が重く、帽子かぶってっているような感覚
  • 朝起きにくく、調子が出ない

気が鬱滞する原因

疲労

気が鬱滞する原因として、次のようなことが考えられます。

  • ストレスや考えすぎ
  • 心身の疲労
  • 運動不足
  • 食生活の乱れにより消化に負担がかかる

最近は、在宅ワークが増え一日中家にいたり、通勤がなくなって運動不足の人も多いでしょう。それらが原因となっている方も多いように感じます。

鍼灸の役割は気の巡らせること!

鍼灸師

「気」は全身を滞りなく巡っていることが正常な状態です。

五臓六腑の働きでは特に、「肺」「肝」の働きを高めるように施術をしていきます。原因を見極め、気を巡らせるように体に変えていくのです。

オススメのツボをご紹介

ツボのとり方

これからご紹介するツボにセルフケアとしてお灸をすると効果的です!

①膻中(だんちゅう)

心を落ち着かせる効果抜群!

お灸をすると呼吸が深くなり、心の落ち着きも取り戻せます。不安や緊張をほぐしたいときにもオススメです。

円皮鍼(置き鍼)をつけておくのも効果的です。

②内関(ないかん)

胃痛や不眠をはじめ、イライラや落ち込みの解消、不眠にも効果があります。

③太衝(たいしょう)

ストレス解消、イライラ撃退に効果抜群!

気の巡りが正常に戻り、高ぶった気分が静まります。忙しくてストレスがたまりがちな人にオススメです。

オススメの食材

野菜

野菜類

だいこん、たまねぎ、ニラ、セロリ、ピーマン、ほうれんそう、春菊、にんにく、みょうが、しそ、みつば など

果物

みかん、きんかん、レモン、グレープフルーツ など

穀類

そば

※ 控えたい食材として、脂っこいものや糖分の多いものは、食べ過ぎないようにしましょう

漢方について

漢方

代表的な漢方として、次の4つが挙げられます。

①香蘇散(こうそさん)

気を巡らす漢方。胃腸を元気にする。

②半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

喉のつかえ感、胸のつまりがある方

③柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

抑うつ、精神不安が強い方

④加味逍遙散(かみしょうようさん)

主に女性向け。精神不安や生理前のイライラが強い方

まとめ

施術者

ぜひ、今回ご紹介したオススメの食材を普段の食生活に取り入れてみてくださいね。

そして、セルフケアとしてお灸をしたり、ストレスを感じたら腹式呼吸をしましょう。しっかり呼吸をすることは体の気を入れ替えることにも重要です。他にもスポーツで汗をかき体を動かすことも、悪い水を出してあげることにもつながります。

それでも中々改善しない場合は、当店のような東洋医学専門の鍼灸院で鍼灸を施し、身体の機能を高め、気の巡りをよくすることも必要です。

お身体の不調でお困りの方は、お気軽にご相談ください。最後までご覧いただき、ありがとうございました。