11月7日から立冬ですね。冬が始まると東洋医学では腎のトラブルが出やすくなってきます。
そこで今回は、「腎が関係する症状」等についてお話していきます。
東洋医学で考える腎とは?
腎は、生命の素を貯蔵しておく場所です。
生命の素とは、成長や発育、生殖といった人間の根本的な活動に必要な精(エネルギー)のことです。人間は誰しも親から受け継いだものをもちつつ、飲食物の栄養や水分で日々補充しながら生命活動を維持していきます。
また、全身の水分代謝も行っていたり、からだや臓腑を温める働きもしています。
腎が弱ってくると出る症状
東洋医学の考えでは腎が弱ることで次のような症状が出やすくなります。
- 夜中に何回もトイレに行く、頻尿に悩まされる
- 毛質がパサつき、薄毛・白髪が増える
- 腰がだるい、腰痛に悩まされる
- むくみが出る、下半身が冷える
- 耳鳴りやめまいがする
- 骨や歯がもろくなる
- 男性不妊につながる
- 月経がおぼつかない
- 頭痛や認知症を招く
腎を守り活かすためには
腎の機能を健やかに維持するためには、まずは腎に負担をかけないことが必要です。とくに腎の働きが衰えがちな冬は、心身ともに無理をするのは良くありません。
エネルギーを消耗しやすく、また睡眠不足も生命の素を損なうことになりますので、疲れを溜めないように意識して休みを取ること。これは冬の養生の基本です。
①とにかくひやさない、太陽の光を浴びる
冷えは腎の大敵!冬は防寒対策をきちんとして、足腰を冷やさないようにすること。食べ物もからだを冷やすような食材は避けましょう。
また冬に太陽の暖かい光を浴びることも腎を養うための秘訣です。
②足腰を鍛えることが腎を鍛えることになる
腎を支える足腰の筋力が衰えると、自ずと腎の機能も低下します。
散歩をする、階段を使う、一駅分歩くなど足腰を鍛えるように運動をしましょう。冬に滞りがちな血流対策としても有効です。
③腎をいたわる生活習慣を心がける
水分代謝を担う腎にとって水分のバランス調節は大事です。とくに乾燥しがちな冬はしっかり水分を補給すること。
疲労を溜めないようにしっかりと寝るなど腎を弱らせないための生活習慣を心がけましょう。
腎を高める食材
黒い食材は腎を養い、血や潤いを補う働きがあります。また鹹味(かんみ)塩辛い味を指しますが、腎の働きを支えてくれます。
黒豆
腎の弱りが原因の腰痛の改善や、疲労回復、水分代謝も助けてくれます。滋養強壮作用も高い。
黒ごま
薄毛や白髪の改善。血を補い、耳鳴りやめまいの解消にも!
昆布
鹹味の食材の一つ。腎の働きをよくするだけではなく、体内の余分な水分を取り除き、むくみの解消にも有効。
くるみ
腎は知力にも関係するため脳の機能を高め、老化防止にも効果的。
やまのいも
山芋や自然薯など、便秘やむくみ解消、免疫力アップの働きも期待できます。
腎の機能を高めるツボ
湧泉(ゆうせん)
血行を良くしてからだに活力を与えるツボです。冷えやむくみの解消に!
太渓(たいしょう)
体内の老廃物の排泄を促し、代謝をアップする効果があり、血のめぐりが良くなり疲労回復、水の循環改善があります。
三陰交(さんいんこう)
生殖器や泌尿器の調子を整えたり、ホルモンバランスを整える効果も高く、女性の悩みにも幅広く効果を発揮します。
おわりに
寒さが厳しくなる冬は万物がものを貯め込む季節と言われています。熊が巣ごもりするように、人間もゆっくりと過ごして早寝早起きを心がけましょう。
からだをしっかりと温めて冬に負けずに過ごしていてくださいね。