みなさんは「隠れ冷え性」という自覚がないタイプの冷え性をご存じでしょうか?冷えや手先、足先の痛みはないために気づきにくいのが特徴ですが、放っておくと本格的な冷え性に進んでしまうことがあります。
本記事では隠れ冷え性のチェックリストをはじめ、放っておくとどうなるのかを解説します。鍼灸と自宅でできるセルフケアを組み合わせた対策法についてもご紹介しますので、ぜひご覧ください。
隠れ冷え性とは?
隠れ冷え性とは、その名のとおり自覚症状がない冷え性のことを言います。毎年、気温が低くなってくると手先や足先の冷えや痛みに悩まれる方も多いでしょう。
隠れ冷え性は、冷えや冷えによる痛みはほとんど感じないものの、内臓が冷えてしまっている状態です。自分で内臓の冷えを気づくのは難しいですし、体に触れるとあたたかいため、ほとんどの方が隠れ冷え性を放置しているかもしれませんね。
しかし、体の内側が冷えることによって内臓機能が低下してしまい、さまざまな病気の原因となることがあります。また隠れ冷え性を放っておくと、いずれ本格的な冷え性へと進んでしまう可能性もあるため、早めのケアが必要です。
「冷えは万病の元」と言われているように、体の内側・外側問わず適切な温度を保つことが健康への第一歩なのです。
隠れ冷え性のチェックリスト
隠れ冷え性は発見が早ければ早いほど、改善できる可能性が高いでしょう。こちらで隠れ冷え性のチェックリストを用意しましたので、当てはまるものがないか確認してみてくださいね。
- お腹を触ると冷たい
- 顔がほてったり、のぼせたりする
- 胃腸が弱い
- 冷たい飲み物を飲むことが多い
- 平熱が35度台
- 入浴はシャワーのみ
隠れ冷え性の方に多く見られるのが、手足はあたたかいのにお腹に触ると冷たいというケースです。内臓が冷えている状態であるため、多くの臓器が集まっているお腹の冷えにつながるのですね。
また、夏場にはアイスや冷たい飲み物をよく口にしたり、お風呂はシャワーで済ませてしまうという方が多いでしょう。これらも体を冷やす大きな原因となっているため、今は症状が出ていなくても今後冷え性につながる可能性があります。
そして平熱について、人間の理想的な体温は36.5~37度と言われているため、35度台は「低体温」の状態です。体温が低いと冷え性を引き起こすだけではなく免疫力も下げてしまうため、できれば36度台を目指したいですね。
上記の項目に当てはまる方は「隠れ冷え性」の可能性が高いため、本格的な冷え性になる前に適切なケアをする必要があります。
隠れ冷え性の改善に鍼灸が効果的な理由
先ほどのチェックリストで、ご自身が「隠れ冷え性である」と気づいた場合は、ぜひ東洋医学の鍼灸を試してみてください。こちらでは隠れ冷え性の改善に鍼灸が効果的な理由について、3つのポイントに分けて解説します。
①体全体をみてアプローチできるから
西洋医学では症状が出ている場所をみて適切なアプローチをおこなうのが一般的です。
しかし、東洋医学は症状が出ている場所以外にも目を向けて、体全体に対してアプローチをおこないます。そのため、根本原因を把握したうえで適切な施術をおこなうことができるのですね。
東洋医学に古くから存在する言葉に「森をみて木をなおす」というものがあります。これは、体全体と向き合うことにより、痛みやしびれ、かゆみなど患部に出ている症状が自然に改善していくということを意味しています。
②人間が持つ本来の力を引き出せるから
薬や手術などを使ったアプローチは「症状を抑える」ことを目的としています。もちろん、強い痛みやかゆみがある場合には症状を抑えることで精神的にも楽になるでしょう。
しかし、根本から病気を改善するためには、人間が病気と闘う力を引き出さなくてはなりません。人間が持つ力が十分であれば、病気を自分の力でよくすることができますし、病気にかかりにくくなるでしょう。
東洋医学の鍼灸では人間が持つ本来の力を引き出せるため、健康を取り戻すことが可能です。
③体温を上げる「血」の流れをよくするから
私たちの体には「気・血・水(きけつすい)」という3つの大切な要素が流れています。
この中で冷え性と関係が深いのは「血」です。血は体のエネルギー源となるのはもちろん、体温を上げたり下げたりする役割も担っています。
つまり、血の流れをよくすることで全身に血液がめぐり、体温が上がります。体温が上がると冷えを感じにくくなるうえ、免疫力もアップしてよいことづくしですね。
鍼灸に抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんが、冷え性ととても相性がよいアプローチ法なので、ぜひ試してみてください。
隠れ冷え性におすすめの自宅セルフケア
ご自身が隠れ冷え性もしくはすでに冷え性である場合は、鍼灸とあわせてセルフケアをするのもおすすめです。自宅で簡単にできるものを3つご紹介しますので、ぜひ日常生活に取り入れてみてくださいね。
お風呂につかる
簡単なことですが、きちんと湯舟につかるようにするだけで冷え性に効果的です。
「時間がなくてシャワーだけで済ませている」という方も多いと思いますが、たった10分でもよいので、38~40度ほどのぬるめのお湯につかるようにしてみてください。
白砂糖をひかえる
実は、白砂糖を摂ると血液の流れが悪くなるのをご存じでしょうか。特に空腹時に甘いものを食べると血糖濃度が一気に高くなり、ドロドロとして流れにくい血液に変わってしまいます。
ドロドロの血液は体内を流れにくく、粘度が高い場合は血管のつまりをも引き起こしてしまう可能性があります。どうしても甘いものが食べたくなったときは、体をあたためる機能がある「黒糖」や「てんさい糖」が使われているお菓子を食べましょう。
適度に体を動かす
「血」だけではなく「筋肉」も冷えと深く関係があります。
筋肉は熱を生み出し、保温する役割があるため、十分な量の筋肉があれば自然と体温が上がり、冷えにくい体を維持することができます。毎日1駅分歩くようにする・階段を使うなど、ちょっとした心がけで体は変化しますよ。
隠れ冷え性を改善して快適な毎日を目指そう
チェックリストに当てはまる項目があった方も多いのではないでしょうか。
隠れ冷え性を放っておくと、やがて本格的な冷え性になってしまったり、さまざまな病気を引き起こす可能性があります。鍼灸とセルフケアをあわせておこなうことで、隠れ冷え性はもちろん、あらゆる不調を改善できるでしょう。
当店では鍼灸が初めての方でも安心していただけるよう丁寧な説明を心がけていますので、ぜひお気軽にご来店ください。