東洋医学では、立秋(8/7)から11月を肺の季節と考えます。
今回は、肺の季節に出てくる症状についてお話しさせていただきます。
肺を高める生活や食材、ツボを紹介していきますので、とくに当てはまる項目が多い人は、ぜひ参考にしてください。
東洋医学が考える「肺」とは
肺は呼吸などを通じて、体内の空気を入れ換える働きをしています。
肺が弱ると咳やぜんそく、肺気腫など呼吸器系にトラブルが出やすくなります。また、肺は六腑の大腸とも通じて免疫力を担当しているため、アトピーや花粉症などの原因にも関わります。
さらに乾燥に弱いため肌や鼻、のどに関連する症状も出やすくなります。
肺が弱ってくると出てくる症状
- 咳が出る、ひどい場合はぜんそく
- 鼻水が止まらない、鼻詰まり
- 痰がからみやすくなる
- のどが乾き痛みがでる
- かゆみやニキビが出やすくなる
- 手足の先など末端に冷えが出る
- 落ち込んだりふさぎ込みがちになる
- 乾燥から便秘になりやすい
- 肩こりがひどくなる
- 背中や二の腕など上半身がブヨブヨになる
東洋医学の考えでは肺が弱ってくると上記の症状が出やすくなります。
肺を守り高めるために行うとよいこと 3選
秋の気配を感じるようになってきたら、一度生活を見直しましょう。
肺は潤いを求める場所でありながら、外気に触れやすい器官です。乾燥や冷えがダイレクトに影響を及ぼすため、外気や外敵から守り、できるだけ乾燥させないことがポイントです。
1. 朝、窓を開けて部屋の空気の入れ換えをしよう
睡眠中は体内に悪い気が溜まり、部屋の空気もよどみがちです。朝起きたらすぐに窓を開けて、空気の入れ替えをしましょう。毎日の習慣にしておくと、季節の移り変わりにも敏感に対応できるようになります。
2. 深呼吸を習慣化して、いい気をたっぷり吸おう
自然界からいい気(清気)というエネルギーをたっぷり吸い込むことが大切です。深呼吸を習慣化となるよう心がけてみましょう。
3. 外気や外敵から肺を守ろう
秋になり空気が乾燥してきたら、乾いた空気から肺を守るためにうがいをしたり、加湿器をかけるなど工夫をしましょう。
肺を高める食材
肺を健やかな状態に保つには、その機能を補い乾燥から守り潤してくれる食材が必要です。
やまいも (自然薯や長芋も含む)
肺の乾燥を改善し、慢性の咳やぜんそくの改善にも効果があります。
しそ
気を巡らせて風邪や咳を治す働きがあります。肺のバリア機能を高め花粉症やアレルギー対策にも効果があります。
みょうが
肺を滋養して、潤いをもたらしてくれます。風邪の予防にも有効で、生理痛の改善にも働きます。
パクチー
独特な香りは気や血を巡らせる作用があります。発汗を促す働きや、呼吸器の機能も高めます。
白キクラゲ
空咳や喉の渇きの改善や肌の乾燥を防いで潤いを保つ働きもあります。
白菜
喉の渇きや、咳痰の改善に有効です。胃腸を整え、便秘改善効果もあります。
肺の機能を高めるツボ
中府(ちゅうふ)
パソコンやスマホで前屈みになることが多い人は、凝り固まってしまい呼吸を妨げている場合も多いです。胸が苦しい時や手の冷え性にも有効です。
太淵(たいえん)
手のひらの付け根の親指側で、脈を感じるところにあります。肺を元気にするツボで、お灸がオススメです。
おわりに
秋には秋の生活を、症状や体質に合わせた生活を心がけましょう!
人間は治す力が備わっているので、生活の中で症状を改善させることもできますよ。