普段の料理に使っている油ですが、いろいろな種類や効果があるのはご存知でしょうか?
油は人にとっていちばん優れたエネルギー源です。その証拠に、油は肝臓や小腸でデトックスされることなく通過して、即座にエネルギーとして使われます。なぜなら、油は本来無害なものだからです。
しかし最近は悪い油が増え、その悪い油も身体にダイレクトに吸収されてしまうため、良い油と悪い油を見極めることが大切です。
今回は身体に良い油と悪い油についてお話させていただきます。
油の成分について
油の主成分は脂肪酸です。脂肪酸を大きく2つに分けられます。
①飽和脂肪酸
特徴:熱に強く酸化しにくい、常温で個体
- 短鎖脂肪酸…バターなど
- 中鎖脂肪酸…ココナッツオイルなど
- 長鎖脂肪酸…ラード・肉の油・魚の油など
②不飽和脂肪酸
特徴:熱に弱く酸化しやすい、常温で液体
一価不飽和脂肪酸(オメガ9)
オリーブオイル・菜種油 など
多価不飽和脂肪酸(オメガ6)
サラダ油・コーン油・大豆油・ひまわり油・紅花油・ごま油 など
(オメガ3)
えごま油・アマニ油・サチャインチオイル・青魚類の油(EPA、DHA)
積極的に摂りたい油をご紹介
①中鎖脂肪酸
ココナッツオイル
ココヤシからとれる油です。
中鎖脂肪酸を約60%含むので、即座にエネルギーに変化します。低血糖時や冷えの改善にも有効とされています。
- 肝臓でケトン体を産生し、エネルギー源になる
- 消化吸収が早く、肝臓ですみやかに代謝され、体脂肪として蓄積されにくい
- 抗酸化、抗炎症、免疫強化作用がある
健康に良い命の油
中鎖脂肪酸は、ココナッツなどヤシ科の種子からとれる天然の油脂です。母乳にも含まれるラウリン酸が豊富で消化吸収が良く、体内で素早くエネルギーになります。
100%中鎖脂肪酸でできているMCTという油もありますが、安価なパームヤシ由来のパーム核油とブレンドしたものもありますので、質の良いココナッツヤシ100%のものを選びましょう。
②オメガ3
えごま油
東南アジアに起源をもつシソ科の植物、えごまの種子を圧搾して作られた油です。
アマニ油
成熟した亜麻の種子から抽出した油です。ポリフェノールと食物繊維も含まれています。
サチャインチオイル
アマゾン地域の過酷な環境で育ったつる性植物のサチャインチ。その種子から搾った油です。ビタミンEもたっぷり含まれています。
青魚類の油(EPA、DHA)
- 炎症を抑える効果がある
- 細胞膜を柔らかくして血管を柔軟に、神経細胞は活性化
- 血液をサラサラにしてくれる
炎症を抑えるEPAは、炎症で鉄の吸収や利用ができない鉄欠乏の方にオススメ。
細胞膜のオメガ3の割合が増えると、血管壁や赤血球、神経細胞などの細胞膜がしなやかになり、血流や脳の神経伝達が良くなります。
避けたい、減らしたい油をご紹介
①トランス脂肪酸(マーガリンやショートニング)
トランス脂肪酸は自然界に存在しない人工の油。
代謝されにくいため、ビタミンやミネラルを必要以上に消費してしまいます。体内に取り込むと細胞膜を硬くし、虚血性心疾患や認知症などの病気のリスクを高めます。
②オメガ6(サラダ油や市販のドレッシング)
サラダ油などに多く含まれるオメガ6。多くの場合、油を抽出する際に化学物質を使うのですが、その一部が油に残ってしまうのと、高熱処理によりトランス脂肪酸に変化しているものもあるので注意が必要です。
その他の油
エクストラバージンオリーブオイル(オメガ9)
抗炎症、抗酸化作用があります。中鎖脂肪酸やオメガ3と同様に摂取して、炎症に関与するオメガ6の摂取比率を下げましょう。
私たちの生活の中で、圧倒的に多いのがオメガ6の油です。
おわりに
料理に欠かせない油ですが、スーパーに買い物に行った際に気にかけてみてはいかがでしょうか?
油の種類を知り、悪い油を少しでも減らして良い油を取り入れるようにしていきましょう。少しずつ身体の質も変わっていきますよ。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。