鍼灸で偏頭痛がよくなる理由

偏頭痛

統括院長の石丸です。本日は、偏頭痛が鍼灸の施術で改善する理由についてお話しします。

偏頭痛は、鍼灸による症状の改善が期待できる症状のひとつです。しかし、物理的に考えると、鍼灸で頭の中を刺激することはできず、お灸も届かないのに症状が改善するというのは不思議な話です。鍼灸が頭痛に効果があるのはなぜなのでしょう。

偏頭痛の原因

偏頭痛

片頭痛が引き起こされる原因として考えられるのは、以下のようなものです。

  • 低気圧
  • 外気の変化
  • ストレス
  • 生理周期
  • コーヒー
  • 飲酒

台風による低気圧で頭痛が起きているときは、頭痛薬を飲むだけではなかなか痛みが治まりません。外気の変化なども同じようなもので、暑いところと寒いところを行き来しているうちに頭が痛くなった場合も薬の効果を期待できないのです。

またある種のストレスを感じたとき、怒りなどで頭に血が上ったときにも頭痛が起きます。さらに、生理や生理前のイライラなども頭痛や腰痛、肩こりの原因になります。さらに、コーヒーやお酒を飲んでも頭痛が起こるのは、血管が収縮されるからです。こうした痛みは病院で処方される痛み止めでは根本的な解決が図れません。片頭痛を解消するために必要なのは、痛みが出ない身体作りなのです。

偏頭痛の出ない体質を手に入れよう

石丸昌志

頭痛がしょっちゅうあるという人がいる一方で、頭痛に縁がなく、ほとんど頭痛を感じたことがないという人もいます。こうした人とひどい偏頭痛に悩んでいる人との違いは、その人の身体が何に弱いのかということなのです。

体質は、人によって異なります。外気の変化に弱い人もいれば、強い人もいる。たとえ外気の変化に強くても、他の症状が出やすいという人もいるでしょう。痛みが出ない身体作りのためには、自分の身体の弱い部分を知り、その部分を強化すること。東洋医学が目指すのは、こうした施術です。

東洋医学の大原則のひとつが「不通即痛」です。「通らざれば即ち痛みが出る」というのはつまり、循環の悪さが痛みにつながるということ。偏頭痛は、低気圧や外気の変化、ストレスなどで身体がダメージを受け、頭への流れが滞ったときに引き起こされる症状なのです。

東洋医学の施術

鍼灸

鍼灸では、ツボを刺激して症状を改善させます。人の身体にはその表面から内臓へとつながる地下鉄のようなツボの道があり、これを「経絡」と呼びます。この経路を鍼やお灸で刺激することで、内臓にも刺激を与えるのです。

偏頭痛の場合は、肺と肝臓系のツボを用いて施術します。肺は、呼吸を通して空気に触れる器官です。また、東洋医学でいう肺は大腸や鼻、皮膚とも関連しています。鼻が呼吸で空気に触れる部位であるのと同時に、大腸もまた、肛門を通して空気に触れています。もちろん、皮膚も常時空気に触れています。こうした外気と接する場所は、外気の変化の影響を受けやすくなります。

片頭痛を起こしやすい人は外気の変化に敏感な人です。こうした外気の変化に強くなるためには、肺を強化する必要があるのです。

また、ホルモンとの関係が深い場所が肝です。怒りを感じやすい人や生理前にイライラする人につながりがありますし、飲酒にも関連するため、片頭痛を起こしやすい人はなおざりにできない場所です。

鍼灸で肺と肝を刺激し、「不通即痛」を改善することは、外気やストレスに強い身体作り、頭痛が起きない身体作りにつながるのです。

頭に鍼を打つような施術には期待できない

頭痛

当店のお客さまで、ひどい片頭痛にお悩みの方がおられました。その方はさまざまな病院を訪ね、10を超える鍼灸院にも足を運ばれたそうですが、それでも効果がなく、当店においでになったときも諦め半分のお気持ちだったとか。その方にうかがうと、当店以外の鍼灸院では、頭に鍼を刺す施術を受けたとのことでした。しかし、こうした痛みのある部位に鍼を刺すような施術では、まず改善は見込めません。これは、頭痛以外にもいえることです。

眼精疲労だからといって眼球に鍼を刺すことはできませんし、逆流性食道炎だからと胃に鍼を刺すこともできません。ストレスで頭に血がのぼり、片頭痛を起こしている人の頭に鍼を刺しても、肺や肝を強化できません。頭にのぼってしまった血を下に引っ張るようなことができないわけです。

片頭痛を訴える人に対して、手足のツボを利用した施術を行うことで、のぼせた血を下ろし、肺や肝の機能を上げることができます。つまり、痛みのある部位に直接鍼を刺さずに、痛みを軽減させることができる――これが、伝統的な鍼灸施術の真髄ともいえます。

おわりに

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

今現在、片頭痛でお悩みの方はぜひ脈とお腹の状態を確かめ、身体の弱い部分を見極めてから施術にあたる東洋医学専門の鍼灸院をお選びください。