- 「何か喉に詰まっているように感じる…」
- 「喉に圧迫感がある」
- 「喉に引っかかりを感じる」
食事や呼吸の際は異常がないものの、何気ないときに喉に違和感や異物感を感じる症状を咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)と呼びます。
咽喉頭異常感は原因が特定できるケースと、そうでないケースに分けられますが後者の場合は東洋医学が有効です。
実はこの咽喉頭異常感、東洋医学では梅核気(ばいかくき)と呼ばれ、鍼灸施術なら改善することができる症状なのです。
本記事は東洋医学の視点から、咽喉頭異常感について詳しく解説しています。不快な喉の症状をいち早く改善させるためにも、ぜひ最後までご覧ください。
梅核気(咽喉頭異常感)について
喉に違和感を感じて耳鼻咽喉科へ行くと次のような検査がおこなわれます。
- 口腔視診
- 鼻副鼻腔咽喉頭内視鏡検査
- 頸部レントゲン、CT
- 超音波
- 喉頭アレルギーに関する問診
- 血液検査
- 精神症状に関するアンケート検査
その結果、
- 腫瘍性病変(がん)や、炎症がみつかれば「症候性咽喉頭異常感(症候性)」
- 原因が特定できなければ「真性咽喉頭異常感(真性)」
と診断されるようです。
ヒステリー球
また咽喉頭異常感症は別名「ヒステリー球」と呼ばれています。実際には存在しない“喉の異物”をヒステリックに訴えることから、精神疾患と誤診され精神薬を処方されるケースがあります。
西洋医学は臨床的なデータや数字に基づき治療を進める医療です。
そのため真正咽喉頭異常感のような原因が定まらない症状に対しての有効な対処法は持ち合せておらず、治療はあくまで症状を一時的に抑えるだけの対症療法となるでしょう。
東洋医学の捉え方
喉にあたかも梅の種(梅核)があるように感じることから、東洋医学では咽喉頭異常感のことを梅核気(ばいかくき)と呼んでいます。
東洋医学は2000年以上も前から梅核気についての明確な対処法を持ち、症状を改善してきました。それは古来より伝わる医学書「傷寒雑病論(しょうかんざつびょうろん)」の一部にその症例が記載されていることが証明しています。
肝気鬱結について
梅核気の症状が起きている身体の状態を「肝気鬱結(かんきうっけつ)」と呼びます。
精神的な落ち込みや「肝」の機能低下により、生命活動に必要な血液や気(エネルギー)がうまく循環していない状態が肝気鬱結です。
この場合の肝は、西洋医学上での肝臓とは異なり、中国医学における「五臓六腑」での肝を指します。肝は血やエネルギーの循環、また消化器や自律神経をつかさどる重要な器官です。
梅核気以外の症状も見る
また梅核気でお悩みの方は呼吸器系のトラブルをお持ちの方も多く、次の症状がよくみられます。
- 肩こり
- 眠りが浅い
- 生理不順・生理痛
- 腹痛・下痢
- 冷え性
- 乾燥肌
- 手の平に汗をかきやすい
- 汗がなかなか引かない
- 風邪をひきやすい
- 膨満感
- 喘息症状
- うつ症状
梅核気は喉に症状が出た結果であり、原因が喉にあるわけではありません。
肺や呼吸器系の機能が正常化されれば、これら諸症状とともに梅核気の症状も自然と緩和されていくのです。
東洋医学における鍼灸が有効
鍼灸は東洋医学の中でも即効性があり、病院で原因不明とされる喉の症状にとても有効です。はりやお灸を、肝に有効な経絡(ツボの通り道)に施すことで機能を引き上げ「気・血」の流れをスムーズにすることができます。
西洋医学においても咽喉頭異常感は、ストレスや心身の疲労からくる自律神経の乱れを疑う場合があるようです。
自律神経をつかさどる「肝」に着目する東洋医学の対処法は、まさに的を得た方法といえるでしょう。
東洋はり灸院の鍼灸について
ここからは東洋はり灸院における鍼灸施術のポイントを3つほどお話しします。
1.日本人向けにアレンジされた鍼灸
中医学では針やお灸で感じる刺激も“効果のうち”といった捉え方がありますが、日本における鍼灸はこれと異なります。
施術で扱う針は中国の針より大幅に細く短いタイプを使用し、お灸に関しても心地よい温感程度の刺激となっています。
- 太い針の鍼灸を経験し苦手になってしまった方
- 鍼灸に怖いイメージを持っておられる方
ぜひ東洋はり灸院にて、日本独自に進化を遂げた、繊細で心地よい鍼灸を体感してみてください。
2.個々のからだに合わせた施療
東洋医学は多くの症例から「同じような症状でも、原因はそれぞれ異なる」ことを知っています。このため病の根源を見つけるために通常のカウンセリングに加えて、
- 脈の状態
- 全身の症状
- 過去の病歴
といったこと、そして一人ひとりの体質をしっかりと見極め、最適な鍼灸をおこないます。
的確な鍼灸は症状の早期改善につながるほか、大病になりずらい体質作りにもとても有効ですよ。
3.総合的な改善をサポートします
病気の中でも慢性疾患の克服は、体質改善を伴います。
鍼灸にてからだの機能を引き上げることはできますが、よい状態を継続するには生活全般にかかわるあらゆる見直しが必要です。
東洋はり灸院は鍼灸のほかにも、漢方・食事についてのアドバイスを行っております。トータルサポートを行う当院にお気軽にご相談ください。
質問と回答(Q&A)
Q.何回くらい通えば良くなりますか?
梅核気に関してですが、基本的にどの症状であってもその方の生命力や回復力、年齢、その症状が発症してからの期間などを総合的に判断し、鍼灸施術を行っていきます。
一般的には体質改善が必要なことも多いため、少なくとも3か月から半年くらいとお考えください。回数に関しても、基本的には週に1~2回程通っていただき、経過をみながら施術を進めていきます。個人差はございますので一つの目安としてお考えください。
西洋医学と比べ東洋医学は即効性が劣りますが、ゴールに向かって一歩ずつ前進していきます。長期的な視点でお考えいただけますと幸いです。
喉の症状、東洋医学の鍼灸にお任せください!
今回は、梅核気(咽喉頭異常感)における東洋医学での対処についてお話ししてきました。
がんや炎症など、器質的な原因がある場合は西洋医学での早期治療してください。一方、次のような方はぜひ東洋医学専門の鍼灸を試してみてください。
- 検査で異常がなかった方
- 既に治療をしているが改善されない方
- つらい症状がなかなか理解してもらえない方
きっと諦めてきた喉の症状が改善し、快適な毎日が戻ってきますよ。