目の病気の代表として有名な結膜炎は、一度はかかったことのある方が多い病気かもしれません。結膜炎は目が真っ赤になり、目やにや目の痒み、種類によっては発熱を伴う病気です。
今回は東洋医学の視点から、結膜炎の症状や種類別の原因、鍼灸施術が結膜炎に効果的な理由についてお話しします。
結膜炎の症状と原因
結膜とは、上下のまぶたの裏側から白目の表面を覆い、目の中に異物が入らないように防いでいる半透明の膜のことです。結膜炎は、この膜が炎症を起こした状態のことをいいます。
結膜は、まぶたを上げて目を開けている間は常に外の世界にさらされているので、とても刺激を受けやすいところです。また、まぶたの裏側は袋状になっているため異物が溜まりやすく、血管やリンパ組織もたくさんあるので細菌やウイルスが繁殖しやすい場所となっています。
結膜炎の主な症状
- 目の充血
- 目やにが増える
- 目の痛み
- 目の痒み
- 目がゴロゴロする
これらの症状に加え、場合によっては発熱や喉の痛みなどが現れることもあります。
結膜炎の原因
結膜炎の種類は大きく以下の3つに分けられます。
- ウイルス性結膜炎
- 細菌性結膜炎
- アレルギー性結膜炎
これらの3つの結膜炎は、それぞれ発症原因が異なります。
①ウイルス性結膜炎
原因はウイルスの感染で、人から人へとうつります。
主に
- 流行性角結膜炎(はやり目)
- 咽頭結膜熱(プール熱)
- 急性出血性結膜炎(AHC)
などがあります。
②細菌性結膜炎
原因は細菌の感染によるものです。特に、子どもや高齢者がかかりやすい傾向にあります。ただし感染力は低く、人から人へうつる可能性も低いです。
③アレルギー性結膜炎
原因は花粉、ダニ、ハウスダストなどです。
ある季節にのみ発症する季節性の結膜炎と、1年を通して発症する通年性の結膜炎があります。
なぜ結膜炎に鍼灸が効果的なのか
東洋医学では施術をする際、五臓(肝・心・脾・肺・腎)と呼ばれるの5つ内臓のバランスをみます。この中で「肺」と「脾」の働きが弱くなると、結膜炎を発症するというのが東洋医学の考えです。鍼灸施術では、弱くなった「肺」と「脾」の機能を上げることができるため、結膜炎の症状を改善させることができます。
当店の結膜炎の施術について
当店では鍼とお灸を用いて、ツボにアプローチをしながら結膜炎を改善へと導きます。結膜炎の場合、全身にあるツボの中から
1.孔最(こうさい)
腕にある肺の巡りをよくするツボです。
2.太白(たいはく)
足の親指付近にある、胃腸の機能を整えるツボです。
3.肺兪(はいゆ)
肩甲骨と背骨の間にある、肺の調子を整えるツボです。
以上の3つのツボなどを使い、「肺」と「脾」の機能をアップさせます。また、首や目の回りの筋肉の緊張を取る施術も併せて行います。
結膜炎を改善・予防するためのアドバイス
①休養を十分にとる
身体の中に入ってきたウイルスに負けないようにするためには、抵抗力をつけましょう。お腹を温め、睡眠をよくとり、バランスの取れた食事を摂ることが大切です。
②目の周りをなるべく触らない
ウイルス性結膜炎は、主に接触感染で起こります。結膜炎の人の目やにや涙に存在するウイルスがドアノブなどに付着することで、そこを触った人が目を触ると感染するというのが発症のメカニズムです。そのため、外出後の手洗いはしっかり行いましょう。
③花粉やハウスダストなどのアレルゲンに触れない
アレルギー性結膜炎は、アレルゲンに反応して発症します。花粉に反応する場合は、お出かけの際に花粉用メガネやマスクを着用し、花粉を体内にいれないようにしてください。
外出すると洋服に花粉が付着するので、家に入る前に手で払ったり、衣類用粘着ローラーを使ったりして花粉を取り除きましょう。ダニやカビの場合は、ダニ用のくん煙剤や布団乾燥機などでダニを死滅させてから掃除機をかけるのもポイントです。
また、カビの繁殖を防ぐために窓を開けて風通しをよくすることも対策になります。アレルゲンをブロックするためにも、エアコンフィルターや加湿器はこまめに掃除しましょう。
おわりに
今回は結膜炎についてお話ししました。
東洋医学の鍼灸で内臓の働きを向上させることにより、結膜炎の症状を予防・改善することができます。目の充血やかゆみなど、結膜炎の症状にお悩みの方は、ぜひ一度当店までお気軽にご相談ください。