
季節の変わり目に体調を崩しやすい、毎年決まった時期にぎっくり腰になるなど、特定の時期に不調を訴える方は少なくありません。東洋医学では、人間の身体は草木と同じように自然界や季節の変化の影響を大きく受けると考えられています。
本記事では私たちの身体が季節の影響を受ける理由や、西洋医学の限界、東洋医学が目指す根本的なアプローチについて解説します。
人の身体は自然の産物

人間は工場で作られた機械ではなく、自然の産物です。そのため、草木が季節の変化によって姿を変えるように、私たちの身体も自然のサイクルに深く関わっています。
草木の状態と比較しながら、季節ごとに身体に現れる特徴をみていきましょう。
春は芽が出て生い茂るようにエネルギーが上昇し、活動的になる時期で、夏は太陽の光を浴びて活発に活動し、エネルギーがもっとも高まる時期です。秋は葉が落ちて収穫を迎えるように、エネルギーが収斂し体内に蓄える時期で、冬は眠りにつき、エネルギーを温存するように、身体を休ませて生命力を養う時期です。
東洋医学の診断法である「二十四節気(にじゅうしせっき)」も、この自然のサイクルを24の節目に細分化したものです。特に「立春・立夏・立秋・立冬」といった大きな節目には、体調を崩す人が増える傾向があります。
しかし、西洋医学ではこのような自然界とのつながりを重視せず、人間を「部品の集まり」としてとらえます。胃の不調は胃腸科、頭の痛みは脳神経外科、肩こりは整形外科というように症状を個別に切り分けてみるのです。そのため、季節の変わり目など身体全体のバランスが崩れて起こる不調には対応しきれないことが多いのでしょう。
西洋医学が持つ部品の視点

西洋医学は、身体という機械の部品の故障や機能の低下を見つけ出すことは得意です。例えば骨折や脱臼、がんの摘出など、明確に壊れた部品を修理・交換する外科的処置はピカイチです。またCTやMRIといった画像診断で、部品の破損や変形を正確に把握できるのも西洋医学の強みでしょう。
しかし私たちに起こる多くの不調は、部品そのものが壊れているわけではなく、部品同士の連携の不具合、つまり機能が低下していることが原因で起こります。例えば、ストレスによる胃潰瘍、生理前の肩こりや頭痛など、心と身体をはじめそれぞれの臓器同士の連携が乱れた結果として、あらゆる症状が現れるのです。
最近では、NHKの「人体」という番組でもさまざまな臓器が連携し合っていることが科学的にも証明され始めています。しかし、西洋医学では自分の専門分野以外のことはわからないと目を背ける傾向にあります。
その結果、複数の病院をたらい回しにされて根本的なアプローチを受けられないまま、症状を薬で抑え続ける生活を送ることになってしまうのです。
東洋医学が目指す全体像をとらえた根本アプローチ

東洋医学は、季節や環境、思考、感情、食生活など私たちを取り巻くすべての要素を視野に入れてアプローチを行います。部品の集合体ではなく、すべてがつながった一つの生命体として人間の身体をとらえているからです。
基本的なアプローチとして、鍼やお灸を行うことで弱った身体の機能を向上させ、自然治癒力を高めます。また、症状と季節、感情、生活習慣のつながりを見つけ出し、身体全体のバランスを整えるのも得意です。例えば、生理前のイライラと肩こり、頭痛がすべて同時に現れるのは、ホルモンバランスの乱れと血流の滞りが原因と考え、それらに対して総合的にアプローチします。
【動画解説】季節の変わり目に体調を崩しやすい方へ
自然界とのつながりを大切にした東洋医学を試してみよう

明治維新以降、日本では西洋医学が主流となり東洋医学は影を潜めました。その結果、過去50〜60年で医療費は190倍に膨れ上がった事実をご存じでしょうか。これは、あらゆる症状に対して対症療法が中心となり、根本アプローチが行われていないことの証でもあります。
もしあなたが病院に行ってもなかなかよくならない症状で悩んでいるのであれば、ぜひ一度東洋医学専門の鍼灸院にご相談ください。東洋医学ではあなたの身体を草木と同じ自然の産物としてとらえるため、根本から健康を取り戻すことができるかもしれません。

