今回は、本日は腎タイプの腰痛のツボに関してお話しします。
どのタイプの腰痛なのかを見極める
腰痛にお悩みの方は多いのですが、腰痛にもさまざまなタイプがあります。東洋医学では腰痛のタイプに応じて施術に用いるツボを変えていますが、さまざまなタイプに分かれるのは、五臓のバランスに関連しています。
東洋医学では、人の身体の状態は五臓(肝臓・心臓・脾臓・肺・腎臓)のバランスに左右されると考えます。つまり、これらのバランスが整っていれば身体の調子がよく、さまざまな症状が出ないけれど、どこかのバランスが崩れれば何かしらの症状として表れるということ。五臓のいずれかのバランスが崩れることで、さまざまな症状を伴う腰痛が出るというのです。
腎タイプの腰痛の症状とは
五臓のうちで腎臓のバランスが悪くなった場合、骨が痛んだり冷えたら痛みが出るといった腰痛へとつながります。
腎臓は骨を担当する器官で、寒さに弱いのが特徴です。このため、筋肉より骨が痛む、冷やすと痛みが増す、寒い日に腰痛が出るといった症状があるのです。
腎臓と表裏一体の関係にある膀胱が背中から腰にかけて走っているため、背中から腰にかけて痛んだり、前にかがんだときより後ろに反ったときに痛むというのも、腎タイプの腰痛に多く見られる症状です。
一人ひとりの身体と心を総合的に判断
東洋はり灸院では、お客さまの悩んでおられるのがどのタイプの腰痛にあたるのかを総合的に判断します。それは、身体の状態だけを見るということではありません。東洋医学では、心と身体はつながっており、精神の状態が身体にも影響を与えると考えるからです。
腎タイプの腰痛も、心配性の方に出やすいとされています。坐骨神経痛なども、腎タイプの腰痛です。
2つのツボから腎タイプの腰痛にアプローチ
腎タイプの腰痛に使うツボは、「委中(いちゅう)」と「腎兪(じんゆ)」です。
委中はひざの裏にあるツボで、たくさんあるツボの中でも特に大切なものだと認識されてきました。「腰背委中に求む」という言葉は「腰が痛む人にはひとまず委中を刺すように」という意味で、委中を用いる効果の大きさを指示しています。
もうひとつの腎兪は背骨から指2本分外側にあるツボで、お灸で温めることで効果を発揮します。腎タイプの腰痛は冷えに影響されたり、後ろに反ると痛みが出る、ご高齢の方に多いタイプの腰痛です。
痛みを感じたとき、ご自宅ででもお灸をするとよく効きますので、ぜひお試しください。