統括院長の石丸です。
今回は、鍼灸師の方々に向けて症状が治るまでにかかる時間についてお話したいと思います。
回復スピードについて 動画解説
回復スピードを左右するもの
鍼灸院に来るのは基本的にどこに行っても治らなかった慢性症状を抱えた人が多いのですが、回復スピードはそれぞれ違います。すぐ良くなる人もいればなかなか良くならない人もいます。これは、スポーツジムに行っても筋肉がつくまでの時間やつき方に差があるのと同じことです。
治りやすさは4つの要素で考えることができます。
- 年が若い
- 年配
- 体が充実している
- 身体が弱い
です。
まず一番早く治るのは、「体が充実していて年が若い場合」です。代表的なところでいうと、子どもです。例えば、同じ喘息でも子どもと中高年の方、お年寄りの方では治るスピードが全く違うのは、想像がつくのではないでしょうか。
次に中くらいのところが「年齢は重ねていても体が充実している人」か、「年は若くても体が弱い人」です。そして一番よくなりにくいのがお年寄りで、体が弱い人です。
体が弱いかは昔のことを聞くとわかる
30代40代でも、子どもの頃学校の朝礼で立っていられずに倒れていたような人は体が弱いので治りにくくなります。
また、若いときから色々な症状を持っていたような人も、治りにくいですね。カウンセリングで症状を聞いてもわからないときは、昔から体が強くないのか、若いときから症状があったのかを聞く必要があると思います。
さらに、ここに症状の期間も考慮するべきでしょう。やはり症状が出てから半年、1年、5年、10年と回復が違います。
時間はかかっても正しい治療をするべき
回復の速さは電車の急行と鈍行のようなものです。私は町田に住んでいますので小田急で例えますが、早く治る人というのは町田から新宿まで二駅しか止まらずに行く急行、少し治りが遅い場合は4駅止まる準急、治りがとても遅い人は各駅停車、というようなことです。
大切なことは正しい電車に乗りさえすれば、各駅停車でも新宿にはつくということです。間違った電車に乗って横浜に行ってしまったり、バスやタクシーで全く違うところに行ってしまうと道に迷います。そうならないためにも正しい電車に乗ること、つまり東洋医学専門の鍼灸院で、正しい技術と知識を持った鍼灸師にみてもらうことが一番大切なことなのです。
お客様に安心を与える
身体的あるいは精神的な慢性疾患を訴える方は、西洋医学においては、いくつもの科を受診せざるをえません。しかし鍼灸なら、身体全体を見て施術をしてもらえるうえに、薬のような副作用もなく、将来の心身の疾患予防にもなります。
日本社会においてもっと東洋医学という選択肢が認知されるよう努め、人々の健康に寄与できるよう、私どもは精進してまいります。
鍼灸で元気な心身にしてまいりましょう。
統括院長 石丸昌志