統括院長の石丸昌志です。
本日は、自律神経失調症は東洋医学へと題してお話したいと思います。
自律神経失調症について 動画解説
ストレスと自律神経失調症
多様な症状を訴えて病院に行き、そこで原因がわからないとストレスや自律神経失調症だと言われます。
しかし、ストレスという言葉が実は90年くらい前にできた新しい言葉です。カナダの医師、ハンスセリエがストレス学説理論を唱えたのがはじまりです。それまで西洋医学では人間機械論「人間は歯車のように動き、精神と肉体は関係ない」という考え方が主流でした。
それに対してハンスセリエは、人間の感情と体がつながっていることを科学的に証明したのです。それ以降、西洋医学ではなんでもかんでもストレスで片づけてしまうようになりました。
東洋医学が捉えるストレス
西洋医学ではストレスと表現されることも、東洋医学では違います。
西洋医学では、以下のような感情の動きをストレスと言うことが多いです。
- 風の強い日
- 暑い日
- 湿気のある日
- 乾燥している日
- 寒い日
- 何かを恐れすぎている時
- 憂鬱になりすぎている時
- くよくよ思い詰めている時
- 笑いすぎた時
- 怒りすぎた時
東洋医学は感情の動きと環境のこと、さらに
- 酸っぱい物
- 苦い物
- 甘い物
- 辛い物
- しょっぱいもの
こうしたものの食べ過ぎ、
- 歩き過ぎ
- 見過ぎ
- 座り過ぎ
- 寝すぎ
- 立ち過ぎ
このような行動も含めて、体に負担がかかることを分類しています。そのため自律神経失調症と診断された方も東洋医学的に考えれば、原因がわかることも多いのです。
病院は体をバラバラにみる
例えばある患者さんが
- 鼻が悪い
- 眠りが浅い
- うつ傾向
- 動悸
- 便秘
- 下痢
- 生理不順
- のどの閉そく感
- 円形脱毛症
- 末端冷え性
といった症状を訴えたとします。病院へいくと
- 鼻が悪い → 耳鼻科
- うつ傾向 → 心療内科
- 生理不順 → 婦人科
- 便秘、下痢 → 胃腸科
- 動悸 → 循環器科
- 眠りが浅い → 心療内科
- のどの閉そく感 → 耳鼻咽喉科
- 円形脱毛症 → 皮膚科
このようにいくつもの診療科に分かれます。
しかし、東洋医学ではこれらの症状は全て気虚(ききょ)という状態を指しています。西洋医学のようにバラバラにせず、全体をみて考えることで原因を突き止めることができるのです。
医者も原因が分からない?
3年ほど前にお亡くなりになったのですが、私をかわいがってくださっていた内科の先生がいました。その方が話していたことですが、
「腰痛や胃の不調、頭痛などいくつもの不調を訴える患者さんがくると医師同士で原因がわからず、頭を突き合せることになる。結局、ストレスや自律神経失調症が原因と伝えるしかなくなってしまう。本来そうした患者さんは、東洋医学の方が適しているだろう。」
そうおっしゃっていました。
東洋医学と西洋医学の違い
『木を見て森を見ない西洋医学』といいます。鬱なら鬱だけを見て他は何も見ないのが西洋医学です。反対に東洋医学は全体をみて、さらに他にどのような症状があるのかを聞く『森を見て木を治す東洋医学』なのです。
また、『病気を診る西洋医学』とも言います。とにかく病名をつけるのが西洋医学です。わからなくても「自律神経失調症」という病名をつけて終わりです。
一方、東洋医学は『病人を診る東洋医学』です。その患者さんがどういった症状を訴えているのか、病人を見るのです。病名じゃなく、病人をみることが大切なのです。そう考えると、どちらが自律神経失調症に対して有効な治療ができるかといえば、東洋医学になるでしょう。