統括院長の石丸です。本日は、鍼灸施術の間隔についてお話します。
一般の方だけでなく、特に施術を初めて間もない鍼灸師の方の参考にもなればと思います。
私が心がけていること
前提として、私はできるだけ少ない回数で改善するほうがお客様にとってよいと思っています。やたらと通わせる鍼灸院もあるようですが、それでは最終的に院の評判が下がってしまうでしょう。
お客様もお金と労力、時間を費やして来店されていますので、できるだけ負担のないよう少ない回数でしっかりと効果を出すことが大切です。友達や家族、親戚に対するのと同じでありたいと考えていますので、一般的な鍼灸院よりも回数は控えめだと思います。
ギックリ腰や寝違えのケース
ギックリ腰や寝違えの場合、私の感覚では80%の人は1回の施術でよくなります。1回で改善する方が80%、2回かかる方が15%、3回かかる方は全体の5%ぐらいだと思います。ですので、1回目の施術後にまだ痛みがある場合は次の日も来てもらうようにして、短期間で改善するほうがいいでしょう。
整形外科だと治るまでに2週間かかるようななケースもありますよね。そういった自然治癒任せではなく、ビシッとすぐに改善することで鍼灸の凄さを多くの方に知っていただきたいと考えています。
症状が酷い場合
何かしらの症状が日常生活に影響を及ぼす程の場合、週に2~3回通っていただくこともあります。これも程度によりますが、
- 何年も痛みが続いている
- 何かしら体に不調がある
- 日常生活に影響が出て困っている
このような場合、はじめは多少頻繁に来てもらうほうがお客様は楽に感じると思うからです。
例えば鍼灸施術をして、その後2日間は調子が良かったとします。しかし、次の施術まで4日間またしんどくなるよりも、間にもう一度鍼灸施術をして、段階的に改善させていくほうが体への負担も少ないです。お客様の中には、施術は一週間空けないとダメだと思っている方もいらっしゃいますので、施術者がしっかり説明してご理解を頂く必要もあります。
慢性症状の場合
「頻繁な施術で症状がある程度改善した後」や「日常に困難はないが慢性症状があり体質改善が必要な場合」は、週1回の頻度で3~4か月継続して施術を行います。
- 鼻の症状
- 生理痛
- 生理不順
- 不眠症
- 偏頭痛
- 風邪をひきやすい
- 慢性扁桃炎
こういった慢性症状の施術についてお客様に説明する時、私はよく筋トレに例えています。
1日がんばってトレーニングをしても、翌日すぐにムキムキになるかといえばなりませんよね。少しずつトレーニングを積み重ねていかなければ筋肉はつきません。同じように体質を変えるには時間がかかるのです。
ギックリ腰の場合、体のレベルが一時的に下がっているだけなのですぐに回復します。しかし、日常に影響を及ぼすほど症状が酷い場合、長期間症状が出ている場合は、体の機能が落ちているのでレベルを上げるには時間がかかるのです。
また、赤血球の寿命は120日と言われています。「血液が生まれ変わるには120日必要なので、体が変わるためには3~4か月ほどかかります」という話のほうが納得していただけるのです。筋トレのほうが理由としては近いのですが、うまく納得してもらえる説明を見つけましょう。
鍼灸師に向けて
実際に鍼灸施術をするためには本治法を行う必要があります。表治法だけでは土台を引き上げることはできません。本治法を行わない鍼灸師の方も多いと思います。しかし、体の力を上げることができるのが東洋医学の素晴らしさです。そのためにも本治法は重要です。
お客様を第一に考え、頻度や施術法を工夫しながら改善させられるよう努力していきましょう。