ジャンプやダッシュなどをくり返すスポーツを行っている場合、ジャンパー膝を発症しやすくなります。膝のお皿の下あたりが痛い、しゃがめなくなったといった症状が見られることはありませんか?
本記事では、スポーツ障害のひとつであるジャンパー膝について詳しく解説します。東洋医学的な見解や施術、改善方法についてもお伝えしていきますので、膝の症状にお悩みの方はぜひ参考になさってください。
ジャンパー膝とは
ジャンパー膝とは別名「膝蓋腱炎」ともいわれ、スポーツや運動などを過度に行うことで起こる慢性的な膝の障害と定義されています。症状は膝関節周辺の痛みが現れるのが特徴で、押すと痛みの出る圧痛の多い部位としては、膝のお皿のすぐ下あたりが多いです。
バレーボールやバスケットボール、陸上競技、サッカーなど、膝を酷使するスポーツを行っている方に多く発症する傾向があります。ジャンパー膝で痛みが起こりやすい動作として、ジャンプや階段を登るとき、深くしゃがみ込んだときに痛むのが特徴です。
西洋医学的な対処法
ジャンパー膝に悩む方は、整形外科を受診される方が多いです。整形外科の場合、以下の流れでジャンパー膝に対処していきます。
- 膝を使わずに安静を心がける
- 炎症が起きている部位を冷却する
- 薬物投与を行う
このように西洋医学の場合、基本的には「動かさない、冷やす、投薬する」といった方法が多いようです。
東洋医学的な対応と施術法
東洋医学の場合、膝に症状が出ているからといって、膝だけをみるということはいたしません。
東洋医学で施術を行う際は、五臓と呼ばれる5つのグループのバランスを見るところからはじまります。
五臓
- 肝
- 心
- 脾
- 肺
- 腎
五臓の調子を整えることで症状を改善したり、健康状態を維持したりする施術が東洋医学の基本です。
そのため、「ジャンパー膝だから膝にだけ鍼やお灸をする」というよりは、全身のツボ(経穴)に鍼やお灸で刺激を行いお身体の働きを向上させていきます。こうすることで自己治癒力もアップするため、症状を改善させ再発の可能性も下げていくというところまで、施術の中で行っていくのが当店の施術の特徴です。
ジャンパー膝の施術は具体的にどんなことを行う?
ジャンパー膝を実際に施術していく場合、まずは脈をみる脈診を行ったり、お腹の状態を見る腹診を行ったりしてお身体の状態を判断していきます。その中で症状に対して、五臓のどこが不調を起こしているのか見極めるのがポイントです。
どのように判断するか少しだけ例をお伝えすると、
- 肝は動作時痛
- 心は赤く腫れる、拍動性の痛み
- 脾は水が溜まって腫れる
- 肺は表面的に冷えることによる痛み
- 腎は変形性の痛み
といった判別の仕方があります。
他にも、階段を登るときに痛むのか、降りたときに痛むのかによっても判別の内容は変わってきます。またそれ以外にも、膝以外でお身体に症状が出ているところが必ずあるはずです。
睡眠の質や食欲、便通などは東洋医学的にお身体の状態を把握するうえで、とても重要な判断材料となります。これらを総合的にみたうえで、お身体の状態を把握してから必要な鍼灸施術を行います。お身体の状態によっては鍼のみ、お灸のみという方もごく稀にいらっしゃいますが、基本的には鍼とお灸を組み合わせて施術をさせていただくことが多いです。
スポーツに特化した鍼灸院の場合、鍼を奥深くまで刺して直接筋肉に効かせるという施術を行うことが多いと思います。しかし当店の場合は、ツボを刺激してそのツボの流れ(経絡の流れ)を良くするというのが施術方法なので、皮膚表面からわずか数ミリの刺激がメインです。痛みに弱い方、鍼灸が初めての方でも痛みや苦痛を伴わずに受けられる施術ですので、どうぞご安心ください。
東洋医学の鍼灸は相対的に不調が改善される
先ほども少しお伝えしましたが、東洋医学の鍼灸は「痛いところだけ改善させる」という施術方法ではありません。その大元の原因から鍼灸を施し、経絡の流れを整えるという施術を行います。
先ほどお伝えした5つのグループには、さまざまな症状や臓器が配当されています。そのため、例えば肝のグループの不調と捉えて施術をすることになれば、他の症状も一度に改善する可能性があるのです。
これは原因の大元を施術しているためで、その経絡の流れが良くなることから相対的に不調が改善されます。これが東洋医学の面白いところでもあり、1500年以上生き残ってきた理由でもあるのではないでしょうか。
おわりに
本日はジャンパー膝の概要から、実際の施術の内容について少しお伝えしてきました。同じスポーツ障害でも症状は十人十色のため、施術の内容は人によりさまざまです。
ジャンパー膝でお悩みの方はもちろん、色々な症状が積み重なって困っておられる方、病院などに行ってもなかなか良くならない方はぜひ一度、東洋医学専門の鍼灸院に行かれてみてはいかがでしょか。もしかすると、長年悩んでいた症状が改善するかもしれません。
もちろん当店、当グループへのご来店もお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。